キムミンス教授(ソウル大学校美術大学デザイン学部教授)講演
タイトル「傷ついた歴史と治癒としてのデザイン」
金基昶 1914∼2001 号は雲甫。
←以前、この人の多分住居を改造して作った雲甫美術館に行ったことがある。テジョンからほどちかい忠清北道清原郡にある。
キム教授の講演によるとこの人はいわゆる「親日派」だそうである。
第二次大戦中に「敵陣肉薄」というタイトルの絵をかいたのだが、これは南方で
敵に向かって突入する「皇軍」の姿を描いたものだったという。
以堂 金殷鎬(1892∼1979)についてもその親日的行為について言及した。
(私はこの画家の絵を持っています)
ところで現在韓国で使用されている紙幣、1万ウォン紙幣の肖像は
世宗大王であるが、この肖像の原画を描いたのが雲甫金基昶であり、
したがって、「親日派」の手による肖像がその国の顔たるべき紙幣に
載っているのはキム教授によると容認されえぬとのこと。
作家と作品は不可分かというお決まりの議論に行き着くが、
わたし自信は個人的には別物だと考えている。
親日派に対するお話は最初の2~30分ほどで、あとはインダストリアル
デザインのご専門家らしく韓国の日常生活で接するデザインについて
ユーモアを交えつつ批判(?)された。結構うなずける点も多く、
面白かった。
たとえば韓国のさまざまなキャラクターの中で目が大きいのが
多いのは手塚治の「鉄腕アトム」の影響である、など。